突如出現した『色無き街』を中心に展開される物語は、読む者の心を魅了する力を宿している。柔和な語り口と文体で繰り広げられる世界観は、しかし確かな重みを以て読者の感性に様々なテーマを訴えかける。
消滅と出現、流転を体現する『色無き街』で発見された”白い男”。
その正体や過去を探ってゆくにつれ人々は多くの事を知る。
”白い男”とは一体誰か、その街には何があるのか。
見えている物は果たして正しいのか、正しいのは一体誰か。
人は何かを求め、何かを願い生きている。
失った『何か』を追い求めるのは果たして”罪”か?夢を見るのは悪なのか?
例え届かなくとも、必死になって手を伸ばすのは”悪”なのか――――
作者の技術・文体無くしては本作は完成しない。
一歩踏み出せば、君は『モノクローム』に魅了される。夢中になって駆け抜けた時、君の後ろには最高のエンディングがあるだろう。
さぁ、君も色彩を探しに『モノクローム』を訪ねよう。