やっぱ足りないですよ！

　疾走感があった。
　内容も十分に伝わった。
　謳う内容は満たされていたが、正直に申し上げるとやっぱり何か物足りない。

　テンプレであるからとか展開に刺激がないからとかではないのだ、その辺はそもそも期待してないのだし。この短さの中でキャラが立つ女の子三人や、書きぶりからして鈍感に過ぎる主人公とかがわっちゃわっちゃしてくれないと、やっぱりこれは物足りないのだ。「このディティールを読みたいんだけどなあ」と思わせられたのでこの小説は「勝ち」かな、と思う。
　流行り故にか色々と非難を受けがちなテンプレという奴だけれども、面白さの本質はそこに非ず、というか、テンプレでも面白い奴は面白い、ということを考えさせられた。勉強させてもらった。