【連載】異世界転生モノ?2000文字以内で全部終わるよシリーズ

タチマチP

パート1:2000文字_異世界転生ラブコメ!

 高校二年でニートをしている俺は、ある日突然現れた女神に無理やり異世界に転生させられて、魔王を倒すための冒険に出ることになった。

 魔王を倒すまでは、元の世界に戻れないらしい。

 女神だめがみ曰く、本当はもっと強い騎士を連れて行く予定が、うっかりと選定を間違えてしまったせいで俺が選ばれてしまったらしい。

 やれやれ……面倒なことは嫌いなんだがな。


 異世界に到着し、まずは最初の町へ向かおうとしていた道中で、俺は行き倒れの女戦士を偶然発見した。

 ヤバイと感じた俺は、すぐに助けようと駆け寄ろうとしたその時、偶然にも近くにあった石でつまづいてしまい、倒れていた女戦士のおっぱいを触ってしまった。

 衝撃で目を覚ました女戦士にセクハラ呼ばわりされるのではないかと俺は慌てふためいたが、その予想に反し、自分のおっぱいを触った人が将来のお婿さんになってもらうという家のしきたりがあるのだと謎のルール発言をして、突然結婚を求めてきた。

 俺は断りを入れるも、女戦士は引こうとしない。

 女神がねた様子で、こいつは童貞だからそんな勇気ないのよと言うも、女戦士は振り向くまで付いていくと言い、魔王を倒すための仲間になった。

 一緒に旅をしても良いと言われ、喜ぶ女戦士、一方女神は、ほおを膨らませながら拗ねている。

 ……まったく、一体どうしたってんだ?


 旅をしている途中、俺達は斧を持ったモンスターに出会った。

 圧巻の姿に驚きつつ、正直ビビりながら目を瞑って無我夢中に戦っていた俺だったが、偶然にもクリーンヒットした石の当たりどころが悪かったのか、モンスターを倒すことが出来た。

 女神と女戦士は驚いた――なぜなら、上位のジョブじゃなきゃ倒せないようなモンスターを軽々と倒したからだと言う。

 そうか、俺はチート能力を持っているのか……なんて幸運なんだ。


 更に道を進んだところで、俺は貧乳のエルフに誘拐された。

 この地域には男がいないからと、性欲にえていたエルフは思わず俺を連れてきたという。

 エルフは服を脱ぎ始めたが、俺は童貞なのでそういう勇気がない。

 魔王を倒しに行くから、ここで貞操を捧げる訳にはいかない――と言い訳を付け、チート能力で逃げ立とうとするも、エルフは「じゃあ私も付いて行く」と言い、無理やりついてくるようになった。

 やれやれ……また厄介な仲間が増えてしまった。


 様々な困難(主に仲間たちの妨害)を乗り越えながら、俺達はついに魔王城へと到達する。

 様々な罠やモンスターに襲われながらも、何とか最上階へと到達出来た。


 そこにいたのは、爆乳の女魔王。

 胸を揺らしながら「よくここまで来られたわね」とセクシーな声で俺達を挑発してきた。

 横を見ると、女神とエルフ(ともにAカップ)は額に血管を浮かび上がらせている。

 そうか、お前らも平和を脅かす魔王が憎いんだな。


 俺は意を決して剣を構え、魔王へと特攻で接近するも、またもや偶然浮き上がっていた地面のレンガに躓いてしまい、そのまま女魔王を仰向けに突き倒してしまう。

 偶然にも俺の右手が魔王のおっぱいを掴んでしまっていたようで、慌てて女魔王から離れて土下座する。


 すると、女魔王は怒るどころか頬を赤らめて「武器を使わずに大胆に攻めてくるあなたに惚れました」と呟き、俺の腕に突然抱きついてきた。

 それを見た女神と女戦士とエルフは、顔を赤くして俺のことを突然殴り始めてきた。

 ……ったく、なんで女魔王じゃなくて、俺のことを殴るんだよ。


 その後、女魔王から事情を聞いたところ、世界を脅かしているのは私じゃなくて、父親が残した七つの塔の頂上にいる悪魔たちが悪さをしているせいだと言う。

 元々女魔王は穏健派で、残された悪魔を煙たがっていたようだ。


 女魔王は、仲間にしてくれれば、塔の場所を教えるし、一緒に戦ってくれるという。

 俺は、強い仲間が増えることは嬉しいと快く承諾する。

 女魔王は喜んでか、俺のほっぺにチューをしてきた。

 すると、女神は突然「絶対に負けないんだからね!」と突然女魔王を指差していった。

 女魔王は「私が逃げ切ってやるわ」と言い、俺の腕に手を回す。

 ……一体、何をそんなに怒っているんだか――女の考えることはわからないぜ。


 はぁ〜あ。

 せっかく苦労して魔王城まで来たのに、塔にいる悪魔を倒すという別の難題が出てきてしまったぜ。

 挙句の果てには、やたら積極的な女魔王まで仲間になる始末。

 やれやれ……俺の自由なニート生活は、当分先になりそうだな。


 終わり

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る