転がって転がって、それでも生きる。

とにかく、ころころ転がる物語です。
いや、悪い意味ではなく。
一本筋はしっかり通っていて、だけどそれが見事にどんどん転がっていきます。
読んでいる途中で、何度か「あれ!?ジャンル変わった!?」と戸惑ったくらいです(笑)
それがなんとも、面白い!!

転がるのは物語だけではなく、言葉もまた心地よく転がっていきます。
物語の題材が日本的(なにせ日本の神様や信仰が絡んでますから)なら、文章もまたとても日本を感じさせるもの。
言葉遊び。日本語遊び。そんな感じです。
でもそれだけじゃなく、それを楽しんだ上でちゃんとメッセージも受け取れる!

それぞれ弱い部分を持った、とっても「日本人」な人たちが、転がって転がって、それでも大切な人たちとともに生きていく。
最後には爽やかな風が吹き抜ける、素敵な物語でした。

その他のおすすめレビュー

井中まちさんの他のおすすめレビュー87