日常と青春、焼け付くエンジンと硝煙の匂い。

男の子の友情、登場人物たちの恋愛模様、銃器と戦闘、カーアクション、バウンティハンター(賞金稼ぎ)、魅力的なオジサマキャラ――楽しく読める創作的要素の塊のような作品なのに、なぜか、この物語にはひりつくような疾走感とリアリティが存在します。
しっかりと「生きている」キャラクターたちが、自分の人生を歩んでおり、
深夜に読んでいると、ふと、今まさにどこかの街から外れた田んぼに囲まれた道で激しいカーチェイスが行われているのではないか、仕事を終えた登場人物が、ひとり自分の部屋で少し悲しい表情をしながら煙草をくゆらせたりしているのではないかと思わされてしまう、そんな不思議なリアリティです。

娯楽作品としてももちろん、日常パートとアクションパートのメリハリ、バランスが非常によく、読みだすと止まらない作品だと思います。甘いものとしょっぱいものを交互につまんでいるといくらでも食べられちゃう、あの感じです。
特に、登場人物が過去を回想する回は、つい引き込まれて感情移入せずにはいられないほど、どれも素晴らしく、ドラマを盛り上げてくれます。もっと沢山のかたに、彼らの人生を知ってほしい、ぜひ読んでほしいと思える作品です。

詳細は伏せますが、最新話(『16 写真と火葬』)まで読ませて頂き、思いもしていなかった展開に驚き、そして主人公二人の関係には、熱い涙が込み上げました。
いつか、精算の引き金が引かれる、決着のシーンが待ち遠しい。でも、いつまでもこの子たちの物語を読んでいたい、と、気も早くソワソワした気持ちになっていますが、これからも続きを楽しみに、応援させて頂きます。

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