★★★不幸な少女と少女に平凡な幸せをと願い続けるドブネズミの献身の物語

胸が痛くなるほど切ない、だけど優しい温もりに包まれている。

人語を解するドブネズミは、美人ではないが心優しくお人好しな少女の平凡な幸せを願い続けている。しかし、その願いとは裏腹に、少女には次々と不幸が押し寄せてくる。
それでもドブネズミは少女のために奮闘する。ドブネズミである自分にできることが限られていても、思うように体が動かせなくなっても。


少女を心から大切に思っているドブネズミが、少女を見守っている様子を語っているだけなのに、少女がどうしようもない不幸に転がり落ちて行くのが痛々しくてつらいのに、文章が強烈な引力を持っていて、続きを読まずにはいられない。
特にネズミの語り口調やネズミならではの思考や嗜好が最高にハマっている。どう素晴らしいのかは一話目を読んでもらえばわかるから、とりあえず騙されたと思って開いてみて欲しい。

これが最初のレビューだということが信じられない。こういう良作が埋もれているからWeb小説は面白い。

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