正解へ辿り着くにはまだ早すぎる

作中、幾度か『そうなのか?いやそうじゃない』と問答を重ね、正解の形を模索している自分に気が付いた。

しかし正解へと辿り着くには、私はまだまだ早すぎる。
それは読了した今となっても同じ。

そもそも選択肢の数は無限にあり、そこから取捨選択しなければならないのだが、取捨選択できる程、気持ちに、懐に、余裕のある人間など、どれほどいるのだろうか。

『僕』の意見であり考えだと解っていても、それに諸手を挙げて賛成する事は出来ないし、また頭から否定する事も出来ない。

正解なんて解らないし、その形を模索する行為を止めることも出来ない。

生き続けるというのは、つまり、そういう事なのかも知れないが、それこそ、生きている間に答えが出る事柄ではないように思う。

ロボットを例えに出して書かれたこの作品だが、生きるということを考えてみたい時、人によっては、選択肢を増やすファクターとなり得るものである。

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