もしも、時間が止まってしまったとしたら。

 眠ったままの少女を献身的見守る主人公の物語。
 題名の「小鳥は怪物に見つからない」は少女の口癖だった。
 時が止まってしまった少女。
 しかし主人公の時間は止まらない。
 主人公が少女にプレゼントした鳥籠入りの小鳥。
 二人の約束。
 しかし、約束は守られなかった。
 何故、主人公は二人で交わした約束を違えたのか――?
 そこには主人公の葛藤、軋轢、猜疑が読み取れる。

 少女は言う。
――あの鳥籠の小鳥はわざと逃がしたの。

 二人の会話、関係性、時間の流れ。
 その全てが切ない一作。

 是非、是非、御一読ください。

その他のおすすめレビュー

夷也荊さんの他のおすすめレビュー1,202