水族館であった不思議な出会い

水族館で人魚と出会う物語です。

しかし、その人魚の事は主人公しか見えていない。
大きな水槽のガラスを隔て、主人公と人魚は唇を読み合います。簡単な意志疎通をし、彼の不思議な日常が始まるのです。

短編とは思えない程、物語は動きますのでアッと言う間に読み終えてしまうでしょう。
進行する中に心情の変化や背景が無駄のない説明で書かれており、作者様の才能が遺憾なく発揮されていました。そして、ラストシーンに度肝を抜かれる事間違いなしの構成に涙するでしょう。

水族館独特の青い世界。その青が作品全体の静かで悲しい雰囲気を覆い包み、静かな安らぎを与えてくれる。そんな作品です。

この悲しくも優しい作風は私がもっとも至高する雰囲気でした。

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