※ トランプ大統領訪日に想う大阪人

 2017年、十一月五日より三日間の日程でアメリカのトランプ大統領が日本にやって来た———。


 大阪人の私には、日本にと言うより、「東京」にやって来た——と僻み根性半分で観ていた。


 やっぱり、日本の首都は「東京」なんだなと、改めてそう思わされた。

「京都御所」も、ましてや「大阪都構想」も「大阪城」もその現実の前に遥かに霞んでいる。日本の主役、顔は「東京」なのだ———と。


 しかし、トランプ大統領個人の資質は横に置いといて、アメリカの大統領を三日間「もてなす」には、やはり大阪ではまったく役不足なのは認めざるをえない。

 天皇陛下が皇居におわすから、謁見も「東京」。

 「ゴルフ外交」が「霞が関C.C」で行われたのも、来たるオリンピックで正式種目になったゴルフの会場がそこだからだ。

 そして、あの「迎賓館」——世界の賓客を迎えもてなすのに十分余りあるあの品格と格調の高さ——大阪にはない。


 いずれにせよ、「東京」はやっぱり「東京」だった。完全に認めざるを得ないくらい、「東京」での日米首脳外交は圧倒的な存在感と安心感を他府県の人々に与えたに違いない(私だけではない、とたぶん想うのだが……)


 それゆえに、敢えて言いたい。


 それで、いいのか? 「東京」一極集中でいいのか?——、と。


 あの北の首領様がとち狂って、ミサイル発射して最初に狙うのは「東京」だろう。もちろん、「大阪」や「横浜」、そして「名古屋」もその次のターゲットとされるであろうけど。


 それでも、日本にイザっていう危難が振り掛かった際に、「東京」以外に副首都の格も施設もある第二の「首都」が必要なんじゃないかと、思わされたのだが……如何か?


 普段はやっかみ半分、妬みじめじめ、反骨心メラメラな大阪人ですが、今回のトランプ一家の訪日の一連のニュースを観ながら、大阪人にしては珍しく、想ったのだ。


 日本の首都「東京」———。

 素晴らしい都市だ。日本人が世界に誇れる街だ。


 悔しいけど、アメリカの大統領が古都京都には来ても大阪の心斎橋を歩くことは、少なくとも私が生きている間に実現することはないだろうと、素直に思っております(笑)


 安倍首相ご苦労様でした。

 今の日本に、貴方を置いてあれほど世界の要人と渡り合える人材は残念ながら他に探せませんから————。



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 約三ヶ月ぶりにこのエッセイも再開致しましたが、新作連載が始まっています。是非併せてご愛読頂けれたら幸いです。


【古都水没】https://kakuyomu.jp/works/1177354054884330435

 2011年タイを襲った巨大洪水に立ち向かい戦った日本人駐在員の物語です。ほぼほぼノンフィクションで書き綴っていきます。

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【大阪人の矜持】的な—与太話 千葉七星 @7stars

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