繊細な女性の恐怖に吸いつけられる。何も無かった筈だが?

最初は静かな日常の話で先を読ませない。然し、突然、次つぎと恐怖の波が押し寄せる。最後に大波に押し上げられて、一気に落とされる。落ちたところは母の暖かい腕の中、と思いきや、知らない男の声がどこからか漏れてくる。結末の分からないホラー。文字だけでこれだけの物語りを綴る作者の技が素晴らしい。