ホラー?それともサイコサスペンス?どっちにしても怖いよ(>_<)
読み終わった後、思わずこの作品の枠を確認した。「現代ドラマ」に分類されている。しかし、この状況とラストは、「ホラー」です。幽霊や妖怪や死体なんかが出てくるわけではない。だから、「現代ドラマ」なのでしょうか? この作品は語る。怖いのは幽霊、妖怪、死体などではない。本当の意味で怖いのは……。 文章が巧いので、どんどん引き付けられてあっと言う間にラストが来ます。そして、背筋が凍ります。 この独特の読後感を是非味わってみて下さい。
最初は静かな日常の話で先を読ませない。然し、突然、次つぎと恐怖の波が押し寄せる。最後に大波に押し上げられて、一気に落とされる。落ちたところは母の暖かい腕の中、と思いきや、知らない男の声がどこからか漏れてくる。結末の分からないホラー。文字だけでこれだけの物語りを綴る作者の技が素晴らしい。