温かな背中

作者 花岡 柊

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★★★ Excellent!!!

必死に頑張れば頑張るほど、乗り越えなくてはならない壁にぶち当たるもの。
あまりの壁の高さに、迷ったり、投げ出したくもなる。
そんな時は甘えたっていいし、泣いたっていい。
側にいるのは誰ですか。
家族、恋人、それとも頼れる上司……。

本作品では、田舎から東京に出てきた主人公・千夏ちゃんが、就職した企業先であまりに辛くて塞ぎ込んでしまう。
それからアルバイトを経て、再就職するのですが……。

作者さまの構成力と文章力が非常に高く、(良い意味で)騙されましたっ!

タイトル「温かな背中」の意味を知ったとき、思わず泣いてしまいました。

とても温かく素敵な作品です。

★★★ Excellent!!!

 主人公には彼氏がいた。東京生まれ、東京育ちの彼氏だった。一方主人公には北海道と言う故郷があった。彼氏は主人公に、いつも意地悪な言葉を投げかける。「故郷に帰りたい=逃げ帰る」という感覚でものを言うから、主人公は「絶対に帰ってなるものか」と意固地になっていた。
 そんな中、主人公は就職活動に失敗し、ブラック企業に就職してしまう。もちろん、長続きはせず、短期で退社して体も心もボロボロだ。そんな時、故郷に帰って家族に泣きつきたいと思うが、やはり主人公は意固地になってしまう。意地悪なのに、彼氏は優しく、笑顔を向けてくる。意地悪なのに、そこがズルかった。
 再び職を探すことになった主人公は、ワインの買い付けから販売までを行う会社に就職する。そこで出会ったのは、やはり意地悪だが優しい専務だった。ここから主人公の恋は急展開を迎える。
 専務のことが気になり始め、ついには彼氏とケンカ。
 さんざん拒否していた故郷に、帰ってしまう。
 東京に戻った主人公を待っていたのは……。
 
 ワインの知識が豊富な作品で、それが作品を濃厚にしている。
 大阪に出てきた時の頃を思い出して、思わず主人公に過剰移入して懐かしくなってしまった。読み終えるまでの時間はとても短く、本当にあっという間に作品に引き込まれた。

 特に、都会育ちの人以外の人に読んでほしい一作です。

 是非、ご一読ください。
 

★★★ Excellent!!!

 都会育ちの人間には地方出身の若い女の子の心労は理解出来ないだろう。
そんな一人の女の子の身体の隅々までを細かく描写しつくしているのが素晴らしい。

 こんな女の子に出会ったら、どんな男でも背中を貸すだけではなく、
「お姫様抱っこ」したくなるだろう。

★★★ Excellent!!!

好きな彼とひと悶着あって、それでも最後に、あなたの背中のぬくもりにほっとする……みたいな展開を予測してしまいますよね? 
まあ、ぶっちゃけそうなんですけど、これがまたなかなかそこにたどり着くまでにハラハラさせるんですよ。これが作者の手腕なのでしょうが、とにかくストーリーテリングが上手いのと、キャラに感情移入させるので「千夏。そこはそうじゃない!」とか「貴哉! おまえ小せえな!」などとツッコみを入れながら大いに楽しませていただきました。
柊さんの作品はどれも安心して楽しめるので、他の作品もオススメですよ!