幸せな時間たち ― 桜木麻耶は笑わない ―

作者 RAY

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★★★ Excellent!!!

幼い頃から恵まれない環境で育った主人公、麻耶。
彼女は、どんな状況にあっても「より良く生きる」ことを諦めない。そんな苦しい時間の中で、自分を力強く導く思わぬ「存在」に出会い——。
そんな彼女がやがて引き寄せるさまざまなものや、人。かけがえのない出会いが、彼女の人生を大きく変えていく。

「コンビニ」という、誰にも馴染みのある、そして大きな可能性を持った場所。この物語は、旧態然とした地方のコンビニの再建を題材とした「職業もの」であると同時に、運命に屈することなく人間が真剣に生き抜く姿を具に描き出した作品でもあります。
生きるために、彼女がしたこと。そして引き寄せたもの。それらはどれも偶然や成り行きではなく、彼女の決して挫けることのない強靭な心が手繰り寄せたものだ。——そう思えてなりません。

仕事も、恋も、人生も。本物は、真摯な情熱無しには決して生まれない。
そんなことを心に刻んでくれる、力強いエネルギーに溢れた物語です。

★★★ Excellent!!!

お仕事小説なんですよ?
なんですけど、なんでしょう……それだけじゃないこのわくわくお好み弁当みたいな感じ。
メインは勿論大好物がドーンと乗ってる(これが根幹のお仕事のお話ね)んだけれども、好きなものがこれでもかと入っててすっごい得した気分なのに、さらにピクニックもしちゃうみたいな。

冒頭から、現実なのかそれともファンタジーなのか、どっちとも取れる様相を呈しているのですが、やはり途中からは変化球の得意な作者様。
全く予想もつかない展開へと発展し、最後までどうなるのか、ドキドキハラハラさせてくれます。

本当の意味での幸せな時間を、麻耶は手に入れられるのか?
そしてっ!上司である今岡さんとの恋の行方もお見逃しなく!

一風変わったお仕事小説、読んだらきっとはまること間違いなしです。

★★★ Excellent!!!

まずは物語としてしっかりと楽しめる作品です!
主人公は不幸な生い立ちの麻耶、人間不信、特に男性不信の塊のようなクールガールですが、今岡さんという新たな上司が着任することにより、いろいろと人間的に成長していきます……というだけの簡単な話ではないんです。
前半の不思議な雰囲気の物語、嵐の中で灯台のように灯るコンビニの明かり、今岡さんという不思議でなんとも有能な人、彼の元に集まってくる強烈なキャラクター達、やがてコンビニの常識をひっくり返すようなプランが動き出し、ともう書ききれないくらい、物語は進んでいきます。
いつも通りの楽しいストーリーテリング、波乱万丈の構成、毎度気になる引きの数々、読者を飽きさせることなく、最後まで物語は突き進みます。もちろん楽しい事ばかりでなく、悲しかったり、つらかったり、いろいろと起こるのですが、それがなんとも自然に物語を彩ります。
そして最後には何とも言えないエンディングが……
ということで、あとは読むだけです。
面白いですから是非!

★★★ Excellent!!!

主人公の桜木麻耶は幼い頃、辛い経験をした。
その時、近くのコンビニが心の支えとなっていた。
そんな思い出から、コンビニで働きたいと、仙台で展開するローカルコンビニ会社へ就職。

しかし就職した会社は、良く言えばアットホームな会社、悪く言えば経営難な会社。
そんな状態の会社が、突然大手コンビニ会社に買収されることに。

そこで出会う買収先の部長・今岡さんやそのほか様々な人を通じて、麻耶の心が変わっていきます。
クールガールで笑うことのない麻耶がどのように変わっていくのか。彼女にとって「幸せな時間」とはなんなのか?

お仕事とラブストーリーの2軸で展開していきます。

ハラハラする箇所も随所に散りばめられており、飽きさせない構成です。
タイトルにある「幸せな時間」の答えを知った時、こちらまで幸せになりました。

とても面白かったです。

面白かっただけに欲を言えば、今岡さんと麻耶が仕事で活躍している場面をもう少し見たかったです。


それから、サブキャラクターも個性的でした。
個人的には長谷部さん、結構好きです笑

どんなキャラクターかは是非読んで見てくださいっ!

★★★ Excellent!!!

身が切られるような痛みは他人ごとではなくて、どうか、どうにか主人公の笑顔を見たいと思いつつ読み進めさせて頂きました。

これから目を通される方にも、麻耶ちゃんを応援して欲しいなぁと思っています。
愛情の形はひとつではない、そう思えました。麻耶ちゃんの心情にきゅうっ♡とくると思います!


★★★ Excellent!!!

幼少時のいろいろから始まって、桜木麻耶という女性がどう成長していくのか、追っていくような、一本の成長フィルムを見ているような気持ちにさせてくれる作品でした。

とても素敵で、やさしくて、コンビニを通じて、いろいろ考えさせられる作品でした。

読み終えたあとに、しあわせになれたのがうれしかったです。

★★★ Excellent!!!

境遇から……自分だけを信じて、子供の頃から大人になるまで過ごしてきたはずなのに、実は「自分を信じ切れていなかった」一面がジワジワと顔を出してくる印象を受けました。

――クールでいてクールでない。

そんな不安定な主人公に恋のお相手が登場する事で、「クールに振る舞う必要は無いんだよ」という事を気付かせてくれるまでの描写が、程良いリズムで乱高下するのが面白いです。

仕事に関しても、厳しい現状における措置と人員に対する配慮、新たなプロジェクトの発想や、成功に向けての考え方・進め方。それぞれが、未経験者でもわかりやすい表現で書かれているので、読み進める途中で一時停止する事もないかと思います。

各サブキャラ達のスピンオフとかも期待したくなりますね☆

★★★ Excellent!!!

舞台は杜の都、仙台。物語の主人公、桜木麻耶はある理由から地元のコンビニエンス・ストアに就職する。
麻耶がさまざまな出来事や人々に遭遇、体験しながら、仕事を通じてひとりの女性として成長していく過程を描いた物語である。
ただし、一般的なお仕事物語ではありません。作者の十八番である変化球が、縦横無尽に飛んできます。それがすべてストライクなのです。
キーワードは二つ。ひとつはタイトルにある、なぜ麻耶は笑わないのか。笑顔を取り戻すことができるのか。もうひとつは、幸せな時間という言葉が意味するところは、なんであるのか。ではないかと思います。
グイグイと読み手を物語の中へいざなってくれる筆力は、さすがの定評通りです。
欲を言えば、Neo Galaxy Planの面々(これがまた曲者揃いなのです)がもっと活躍するシーンが見たかったですね。どちらかと言えば、麻耶と今岡さんとのラブストーリーが主軸。とはいえ、きっちりと麻耶は働いています。
読み終えたあと、あらためてキャッチ・コピーを振り返れば、「なるほど!」と思わず大きく頷きます。回収の巧さに、納得です。

★★★ Excellent!!!

コンビニを展開する会社で働く主人公・麻耶がほんとうの「幸せな時間」に気づくまでの物語。

麻耶の寂しい生い立ちがコンビニ会社への就職に大きく影響していたり、会社のM&Aで乗り込んできた男性との出会いがあったり、コンビニの新しい形を模索する中でユニークな仲間に出会ったりと、お仕事を舞台に物語が動いていくのですが、物語の軸にあるのは「幸せな時間」を求める麻耶の恋愛でした。

けれども一筋縄ではいかないストーリー展開はさすが変化球の得意な作者様!
麻耶に接触してくる今岡さんの真意が掴めずドキドキさせられたり、「もう一人の麻耶」の行動にドキドキさせられたり、不思議なタイムラグが物語にどう作用するのかドキドキさせられたり……と、ドキドキだらけであっという間に読み終えてしまいます(笑)

麻耶にとっての「幸せな時間」とは何なのか。
デキる男今岡さんとの密やかな恋はどこへ向かうのか。
皆さんもぜひドキドキしながら物語を追ってみてください(^^)

★★★ Excellent!!!

 現在と過去が縦糸となり横糸となって一枚の布を織りなしていく。それはまるでジグソーパズルのピースのようで、頭の中で簡単にはつながらない。どんな布が出来上がっていくのか、予測できなくて先が気になる引きの良さにつられて、どんどん読み進めてしまう。まさに作者の術中にはまってしまい、あれよあれよという間にラストまで。
 そして最後に待っているのは、なるほど! と唸らせる見事なラスト。ぜひご一読を。
 

★★ Very Good!!

ファンタジー要素ありなので「お仕事」小説としてはどうなのか? と思いながら読み始めたのですが、コンビニ業界や経営のことがしっかりと描かれており、安心して読むことができます。
上司との恋愛模様にも目が離せません。
ちょっぴり不思議なお仕事小説、皆様もいかがでしょうか?

★★★ Excellent!!!

☆☆☆エクセレント!!!
読み終わった後、ついにやったなぁという感じでした。
麻耶ではなく作者に対して思ったんです。
今作では自分のスタイルの上に新しい風を呼び込んだ。
それは、大きな賞につながる進化の一部。
若い競走馬のように、この作家はまだまだ大きく進化する、
そう思いました。

ただ残念なのは、どんなに賛辞を贈っても私は有名な編集者でも
作家でも評論家でもないことだ(笑)。何の力も影響力もない。
しかし、只の素人が普通に読んでも楽しめる、そんな作品に仕上
がったことは大きな収穫ではないでしょうか。

伏線の張り方も、ストーリーの展開のさせかたも、見事なまでに
納得させられるものでした。大抵は大きな展開や奇抜なストーリー
進行をさせると、それと引き換えに、物語があり得なさ過ぎて
しらけてしまったり、着地点が定まらず迷走の上、強引に中途半端
にエンディングにもっていってしまうことになりかねない諸刃の剣。
この扱い難しい剣を見事に操ってみせた。流石だと言いたい。

結構心に残るフレーズが散りばめられていて、読んだ人それぞれ
に印象深く記憶に残る部分があるはずです。

最後に残念な点をひとつ。登場した個性豊かなサブキャラたちの
活躍をもう少し見たかった気がする。
主人公は麻耶と今岡さんだから、執筆期間と話の流れの関係上、
仕方のないことだとは思いますが、もったいない気持ちが強いです。
是非、続編(番外編)で活躍がみたいものです。(^^)b