最初から最後まで、作者の掌の上でしょう。

 現在と過去が縦糸となり横糸となって一枚の布を織りなしていく。それはまるでジグソーパズルのピースのようで、頭の中で簡単にはつながらない。どんな布が出来上がっていくのか、予測できなくて先が気になる引きの良さにつられて、どんどん読み進めてしまう。まさに作者の術中にはまってしまい、あれよあれよという間にラストまで。
 そして最後に待っているのは、なるほど! と唸らせる見事なラスト。ぜひご一読を。
 

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