愛はそのままに人だけが変わっていく。

 切り捨てたいと思っても、切り捨てられないくらいに深く長く関わってしまった。そんな相手に対して、辛いと思ってやっぱり逃げ出すのか、真正面から立ち向かうのか。
 楽しいだけの恋の時間は過ぎ去って、お互いを試すような愛の時間が訪れる。

 恋愛なんてろくすっぽにしたことない人間である私には語りにくい話ですが、この手の話を書く上では避けて通れないテーマですね。

 そんなある種手垢のついたテーマにも関わらず、作者さんが、彼女たちの関係の最も美しいだろう瞬間を、まさしくここだと的確に切り出し、余すことなく描き切った――ということなのでしょう。
 読後、なんとも言えない余韻と共に、『こりゃレビュー書かなアカン感』に襲われてしまいました。

 すごくよい作品です。
 ちょっと寂しい休日の夜にでも、読んでみてはいかがでしょうか。

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