女の子たちの視点で描かれた、砂糖の真実

 砂糖は甘いけど、ちょっと苦めのお話。

 舞台は18世紀のイギリスでございます。ええ、歴史が織り混ざった話です。ですが、ただの歴史小説ではございません。
 なぜなら、魅力溢れる五人の女の子たちの視点で、物語が語られているからです。
ええ、どの子も大好きです。女の子、可愛い。(話を戻します)
どの子の家柄の裕福さも違い、自らが経験したことも違います。
ですが、五人は仲良しでした。あることが、起こるまで……。

     「お砂糖は何匙?」
 
 このレビューだと、可愛らしい女の子たちのお話かと思われますが、違います。
 作者特有の知識を活かし、美しい文章で描かれる作品は、心惑わせます。
私たちが日常で使っている砂糖が、過去にどのように思われていたのか。奴隷制度、貧困、植民地支配 ———
 彼女たちの感情や思いが、読んでいるこちらまで伝わって来ます。

 では、リアルで心苦しくなる世界へようこそ
 甘い砂糖の入っていない紅茶のような、芳醇な素敵な物語です。



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