シリーズ3作目にして明かされる、秘められし幽霊の過去

大学構内で見付かった首吊り死体。
被害者の交友関係は複雑を極め、かつて起こった女子大生死亡事件にも関連がありそうで……。

ヒロインの幽霊・レイにまつわる重大事件がついに起こりました。
今まではキャラ設定でしかなかった「レイが幽霊になった過去」を大々的にフィーチャー。
彼女が死んだ経緯や友人関係の軋轢も明らかになり、それを踏まえた新たな殺人が起きるのも、二重のストーリーラインが楽しめます。

欲を言えばこれをもっと早く書くべきだった。レイが死んだ過去をひた隠しにしていたせいで、感情移入しにくい面があったのも事実です。

ともあれ、主要人物の掘り下げをすることで、さらなる愛着が湧くのは必至。
幽霊と人間のすれ違いコメディも抜群にうまくなっており、事件を抜きにしてもリーダビリティに優れています。