忘れてはいけないこと。振り返ってはいけないこと。

いつか、幸せだった思い出に変わるその日まで。
作者様らしい、優しい管弦楽を彷彿とさせる、素敵な作品でした。

私は、救援お手伝いという形で約半年後の被災地に赴きました。
その時の感情を文章で表すことができません。
最も近い言葉、それは絶望と、人が発揮する本当の力。

ほとんどの方がおっしゃられました。
忘れたいと。テレビなどで取り上げて欲しくないと。
ただ、普通に生活して、笑っていたいと。

どうしても振り返ってしまう。でも、それはやってはいけないこと。
どうしても忘れていく。でも、それは悲しい事。

とても繊細なことで、賛否はきっとある作品なのでしょう。
でも、我々は忘れてはいけないはずです。
本作が、ずっとここに在って欲しいと心より願います。

同時に我々は、後ろを向いてもいけないはずです。
今、隣にいる人を愛する事。
そして誰かを笑顔にすること。
自らも笑うこと。

PCの前で涙を拭いつつ、本作を心より高く評価させていただきます。

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