分からない私が泣いていいのか。

あのとき、テレビから流れる映像をフィクションのように見つめていた。
ほんとうのこととは思えないくらい、ひどい光景だった。

たくさんの人の時間があの日止まった。
そこから進めない人が、
そこに戻れない人が、
大勢生まれた。

だけど、私には分からない。
ただ想像するだけ。
痛みも悲しみも、借り物でしかない。

そんな私が泣いていいのか。

分からないけど、悲しくなった。
どうか幸せに。

幸せの意味も分からないまま、
それでも願わずにはいられない。

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