ジョン・ケージが届けたものは。あなたへのラブソングだったのかもしれない

文字に、言葉のチョイスに。
優しくも寂しい音感とリズム。

自然と心にメロディーが浮かぶ、どなたにも手に取っていただきたいほど美しい作品でした。

五百文字制限で恋愛小説を。ハードなお題には、ひと瓶で味に奥行きを持たせる知識という名の万能調味料が必要。
御作者様がセレクトしたミックススパイスは4分33秒。おそらくここを起点に数千文字の物語を作り上げ、そこから最低限必要な描写と印象深いセンテンスを削り出していったと思うのですが。
その構成の巧みさにより、実に心に染みる作品に仕上がっていると感服いたしました。

夏の一夜に一途な恋の切なさを。
ピアノカバーが開く音から4分33秒間。
あなたも味わってみませんか?


……ちなみに私は。あれは屋外で自然の音を聞いてもらうための曲だと愚考するほどのアウトドアマニアです。