無機質な世界に息を潜めた愛情

現代の職場環境を象徴するような描写。
人と向き合う時間より、パソコン画面と向き合う時間の方が長い。
目の前にいるのに、メール上のやりとり。
でも、そんな社会の中にいても、家族への愛情は消えなくて。それは冷たく硬質な世界を仄かに照らす明かりのよう。
作品タイトルの意味をラストで知り、押し寄せる切なさ。
無機質な世界だからこそ、愛情がより浮き彫りになっているのが印象的でした。
いい意味で、心に爪痕を残す作品でした。
ありがとうございました。

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