概要
「生年月日はいつかな?」「えっと、確か天正十四年……だったような」
伊月藤太郎は旧阿波国に住む高校一年生。五月上旬のある日、幼馴染の野々瀬美郷とお出かけしたさいに立ち寄った吉野川の河川敷で、辻が花染めが施された小袖姿で日本髪風に髷を結い、下駄を履いたまま下駄を履いたまま倒れていた女の子を発見する。美郷はこの子にいろいろ質問してみるが記憶喪失になっているらしく、藤太郎は安土桃山時代からタイムスリップして来たかのようなこの子を両親がハワイ旅行中ということもあり自宅に連れて帰ることにした。美郷の提案により、この子はスダチと名付けることになった。