文字とは何ぞや不滅とは何ぞや

 人類最大の発明である文字についての考察を、古代の司書に仮託して論じたお話。

 他者に対し共通の認識を与える存在でありながら、川と河の間に宿る些細な差のように、そこからは幾らかの情報量が喪失されている。
 しかしながら、その文字が象るモノ、発音には、確かに全ての人類に等しく受け入れられる、共通知が宿っている。

 文字とはなんなのか。
 現代、人類の知識は0と1のパターンや三角関数の波形によって置き換えられようとしている。その方向性と同じく、文字という発明もまた、余計なものをそぎ落とし、本質的な何かを抉り出そうとする、人類の壮大な取り組みだったのかもしれない。

 故に抉り出された文字はきっと不滅なのでしょう。

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