1945年 8月2日にタイムスリップした幼馴染同士の桃弥さんと音々さん。そこで目にしたのはーー。
戦争、原爆の悲惨さを決して忘れてはいけない。風化させてはいけない。
今の平和が有るのは過去の過ちが有るから。
何度、警鐘しても繰り返されてしまう過ちは、何時になったらなくなるのでしょうか。そう、考えられずにはいられませんでした。
消えることの無い心の深い傷痕に、悲鳴に、願い。様々な想いが物語を通して伝わり、読んでいて正直心がとても苦しくなりました。
それでも、私たちはこの事実に目を背けずに、今一度この過去を受け止めなければならないのかもしれません。同じ過ちを繰り返さないためにも。
家族の絆も愛も、その全てが涙無しでは読むことが出来ないくらい、とても深い内容で、中高生の方だけでなく、大人の方にこそ一度拝読して欲しいと思う物語でした。
第二次世界大戦を経験した人々が減っていき、戦争や原爆の恐ろしさが風化していく現代。
平和な広島の街で青春を謳歌する二人の少年少女が出会ったのは、原爆の閃光によりタイムスリップしてきた一人の少年でした。
彼との出会いが、音々と桃弥をタイムトラベルへ巻き込みます。
原爆投下直前の広島にタイムスリップした二人は、時正や彼の仲間と共に原爆の投下から市民の命を救おうと奮闘するのですが──
当時の社会情勢の中、現代から来た二人と戦時中を生きる人々との出会いと交流が切迫した状況の中で描かれています。
彼らの奮闘は市民に届くのか、そしてタイムスリップしてしまった二人は現代に戻ることができるのか。
「あの日」のその後、そして現代にタイムスリップした少年時正視点での短編も、心を打たれます。
物語を通して、皆さんもぜひ戦争について、原爆について、今一度考えてみていただきたいと思います。
1945年8月2日のヒロシマにタイムスリップしたとしたら、あなたならどうしますか?
あの日まであと4日。
お国の勝利を信じてお国の為に尽くす日々。
原爆?
敗戦?
そんな言葉が存在しない世界。
このレビューを見てくださった方。
どうか本作品を読んでください。
ひとりでも多くの人にこの作品の必要性を伝えたい。
つばさ文庫小説賞参加作品です。
各エピソードも短く、文章も読みやすく、
小中学生にも読みやすいと思います。
好感の持てる登場人物に感情移入もしやすいです。
次へ、次へとスクロールさせる指がとまらないのも、作者さまのさすがの展開力です。
戦争のこと。
原爆のこと。
平和のこと。
全世代の方が読むべきです。
考えさせられる作品です。
という作品がカクヨムの中にはたまにあります。これはまさにそんな作品です。現在最新の26話を読んだところですが、このタイミングでレビューを。
原爆の事、戦争のことをメインテーマにしつつ、タイムスリップを絡めたエンターテイメント性の高い物語です。
重いテーマを読みやすく、避けがちな問題を改めて考えるきっかけにしてほしい、そんな意欲・作者の想いを感じる作品でした。
物語は広島に住む桃弥と音々という二人の高校生が、過去から現れた時正君と知り合うことから始まります。
この時正君、なんとも不思議な人物で、原爆投下直後から現代にタイムスリップしてきたようなのです。
最初は信じられない二人でしたが、時正君は音々ちゃんの祖父と知り合いで……と話は冒頭から驚きの展開が続き、ストーリーから目が離せなくなります。
読みやすく平易な言葉で書かれた文体、魅力にあふれたキャラクターたち、次から次へと先が気になる構成力は物語の魅力たっぷり。
そんなハラハラドキドキの物語の中で、時折直視すべき大事なテーマがいろいろと語られていきます。
これは是非小学生くらいから大人まで、沢山の人にぜひ読んでもらいたい素晴らしい作品です。
幸いなことにまだ連載中ですので、ぜひ今から追いかけて読んでほしいと思いました。