本と旅と不思議が好きなら

本を求め、ふらりと旅先の地を踏めば、
どこからか不思議の香りが立ち込める。
筆者を誘うのは、夢か幻かあやかしか。
読者もまた、一時の不思議の影を見る。

ブックカフェや博物館など、少し変わった「本屋」を旅する、
ファンタジックでノスタルジックな紀行文風の文学作品。
文体や雰囲気から、梨木香歩『家守奇譚』を思い出した。
奥ゆかしく静かで柔らかで、鮮やかな水彩画のようでもある。

本が好き、旅が好き、不思議が好きな読者はきっと心惹かれる。
もし偶然にも同じ場所を知っているならば、なおさらのことだ。

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