さらさらと
由海(ゆうみ)
My Sweet Valentine
『もうすぐバレンタインデーだと言うのに、砂嵐に阻まれて僕らは身動きも取れない。
きみに宛てた手紙の束は届いているんだろうか? 補給も
きみに何か素敵な贈り物がしたいんだけど、僕の周りにあるのは、くだらない冗談を連発するどうしようもない仲間の笑い声と砂
だから、これを送るよ』
日付よりも、ひと月以上遅れて私の手元に届けられた、あの人からの手紙。遠い異国の地での戦争は既に終結した、とテレビのニュースが伝える中、未だに戻らないあの人からの、久しぶりの便り。
封を切った途端、さらさらと砂のようなものが
『僕らを砂嵐から守ってくれるテントの
封筒の中には、五センチ程の麻の紐。
そして、さらさらと、零れ落ちるほどの愛。
『明日、いよいよ国境を越える』
そんな所に居ながらも、私を想い続けてくれる人を思って、涙が
ああ、そんな事もあったねと、今、目の前で
さらさらと 由海(ゆうみ) @ahirun
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