晴れた昼。暖簾をくぐった男が独り、いきな調子で詠い出す。
佳麓冬舞
チャッ チャッ チャチャチャ ヘイお待ち!
「らっしゃい。何にしましょう?」
カウンターに座った男、おもむろにこう切り出した。
「朝より
降り立つは、このあたりでは見ることの無い、華麗な
常に勝つ、乙女と
旅館の中には相手の老人。
そして無情に開くドア、和む暇さえありはしない。
さあ、紋付き
刀を抜いて、朗々と歌う。
『倒れる稲穂立てずとも
この技の名を、
技を繰り出すその瞬間に たまたまグロい
娘はハッと閃いた。その子 肌を
死角より、襲ってくる
この技は、ボルトとナット浮き世止め、そんな名前で呼ばれるものよ。
さすがにこの技、いくらなんでも予測はできず、老人は、鋭き目をやり
縁側で、勝った娘は褒美をねだる。娘に甘い老人は、
赤がいい。
答える娘はホタルイカ」
男が
台詞が終わると間髪入れず、いなせな口調に寿司下駄乗せて、男の手元に繰り出した。
「はいよ!
31カン へいお待ち!」
晴れた昼、いきな寿司屋の一幕でした。
晴れた昼。暖簾をくぐった男が独り、いきな調子で詠い出す。 佳麓冬舞 @karoku-touma
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