核戦争後の退廃した未来。残された人類は地下で生活をしていた。光も届かない、自然の風もない地下での生活は、地上とは異なるもの。そんな環境で生まれた衣服、そしてその衣服を作る家族の物語です。作品説明欄に「GC(グレーズクローズ)上に3Dマッピングをするプログラマーの家族の話」と記載があり、なんだか難しそうと思ったのですが、そんなことありませんでした!技術的な話よりも、衣服制作への情熱や家族への想いがたくさん込められた物語です。中盤のファッションコンテストでは、読んでいて地下とは思えない色彩を感じました♪
地上が汚染された未来、人類は地下に潜り細々と生き延びていた――という世界観。この世界観は、そこまで珍しいものでもありませんが、物語の主人公が「デザイナー」というのが面白い。服のデザイナー。まぁ、未来の服は、現在のものとは別の形状になっているんですが、そこは小説を読んでいただくとして――。その未来世界での、服のコンテストに出品するというのがメインストーリーです。全部で6章立てですが、そこまで長くないです。ちょっと長い短編小説、というくらい。オリジナリティのある設定で描く、ディストピア小説。ぜひご一読を。
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