宇宙に出ても。人が生きる上で必要なものを、もう一度拾いに行こう。

前半は、穏やかな農業SFとしてお話は推移します。
そこには宇宙開発の端っこに追いやられても、牧歌的でおだやかな日常が流れていました。

しかし、後半その日常を壊す出来事が起こります。

なぜ、彼らはここで農業を始めたのか。
彼らは何者なのか。
固形食糧が流通したこの時代において、農業が持つ意味とは?

『食べる』という行為が『エネルギーを補給する』ということと同義ではないことを、改めて気づかされてくれる作品です。
そして、きっと日々の食事を大切にしよう……そう思って、ちょっといつもより丁寧に食事を作りたくなる。素材を選びに行きたくなる。
そんな風に考え始める自分に気づくこと請け合いです。