トリマーの瑚湖ちゃんが、ボルゾイにたとえられるイケメン池崎さんに片思いをするお話なのですが、ヒロインの瑚湖ちゃんが、本当にけなげで可愛いです。
読んでいると応援したくなって、ついつい応援ボタンに手が伸びてしまいます(笑)
脇の登場人物&ワンコもみんな魅力的で、読みやすい文章もあって、つい一気読みしてしまいました。
この読みやすさは、作者様の実力ゆえだと思います。
時折はさまる思わず惹かれる一文にも、作者様のセンスが光っています。
時にじれったく、もどかしくもなりますが、それも作者様の技。
可愛くて癒される話にどうぞひたってください。
まるでボルゾイのように冷静で優雅な佇まいの池崎さん。
に恋するトイ・プードルのように元気で真っ直ぐな瑚湖ちゃん。
尻尾を振って近づけども、わんこのようにはいきません。
ワンコに予知夢に同じ傷。
どれもよくあるギミックではありますが、料理の仕方は、料理人の腕にかかっているのです。
これはとても可愛らしい。
もふもふしているわんこたち、牙があることも忘れちゃいけない。
棘も傷も乗り越えて、たどり着いた大陸はあなただけの場所でした。
ふんわりとした毛先にくすぐられ、くずぐったさに安心する。
寄り添った温かみを見つめる。
そして、笑顔になり、言ってしまう。
もふもふしてもいいですか?
恋愛小説ですが、ちょっとした工夫が読み手を惹き付けます。
片思いの女性、瑚湖(23)が幸せを掴むために日々奮闘する物語です。
この主人公の瑚湖が真っ直ぐな優しい良い子なんです。本当に良い子で応援したくなるでしょう。
物語は一人称で悩んだり喜んだりと喜怒哀楽が痛いほど伝わります。作者様の真骨頂とも言える物語の起伏の激しさは恋愛小説との相性は抜群と思いました。更に物語の構成技術が素晴らしく、夢の世界と現実の世界の二つを使い登場人物達の感情を表現されています。主人公は自分の状況を大海原に漂流していると比喩表現し続け、物語の進行に合わせ変化を楽しむ事もできます。主要な登場人物達は犬好きであり、そこが本作の鍵となっています。犬好きな方は必見な作品。勿論、そうでない方も自然と流れる進行に魅了される事でしょう。
私が注目したのは台詞まわしです。
とても自然に書かれていますが、その奥の深さがとんでもない領域にあると思いました。一文の台詞で背景や感情を連想させる言葉の選び方は尋常ではありません。どうぞ、意識して読んでみて下さいませ。
最後に作者様へ
こんなにも素敵な作品を執筆して下さった事に、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
お話としてはシンプルですが、読者に訴えてくる技術や、作者さまの丁寧でかつサービス精神に溢れるスタイルにより、序盤から魅力されること間違いなしです!
片想いの苦しさ、切なさを溢れる感情で書き上げながらも、重くならないように配慮された楽しい雰囲気が見事としか言い様がありません。
後半に展開される内容は、恋愛小説好きはもちろん、恋愛要素を書かれる方は必見です。主人公の切ない想いが、読者の涙を誘っていくシーンが連発します。
話の合間に挟まれる夢の内容も、本編の絶妙なスパイスになっていて、本編に入る時には既にハラハラ感満載になる手法も見事でした。
楽しいことだけではない、恋愛の表と裏を魅力溢れるキャラクターで描ききった本作品、ぜひみなさまも一読されてみてはいかがでしょうか?
もふもふできるものを用意して、ラストを迎えてください!
ボルゾイという犬は日本にはなかなかいないそうですが、私はそのボルゾイ犬に一度だけお会いしたことがあります。体全体は相当大きいのに、線は細くて、恐ろしく小顔。道端に佇むお姿はあまりに高貴な雰囲気に満ちていて、まさにどこぞの王国の王子様が魔法にかけられて犬になっているのではないかと思いたくなってしまうほどでした。
そんなボルゾイ犬をほうふつとさせる池崎さんと出会ってしまった、トイプードル的な主人公。近寄り難い気品を漂わせる相手に、繊細な心を悩ませながら、ピュアな思いを一生懸命に寄せる姿は、何とも可愛く、切なく、そしてリアルです。行ったり来たりを繰り返しながら徐々に二人が距離を詰めていく過程はごくごく自然で、いわゆる激甘系とは一線を画したリアリティある展開に、読み手はすっかり夢中になってしまいます。
物語の大きなスパイスとなっている飼い犬たちの描写もとても可愛らしくて、ワンワン初心者の私でさえ、作中のピュアで優しい犬たちにとても癒されてしまいました。読了後の今は、愛犬家の方々の心情がとっても分かる……。
たまに登場する「池崎さんの夢」は、物語を進める役割を果たすのみならず、作品全体のもふもふな雰囲気を強烈に印象付け、さらには激甘シーンを柔らかく表現するという、まさに脱帽モノのテクニックでした。これまで激甘はあまり得意でなかった私が、すんなり「にゃは~♡」と尻尾を振りまくって堪能してしまいましたから!
愛犬家の方もワンワン初心者も、激甘大好きな方もそうでない方も、是非是非楽しんでいただきたい、オールラウンドにおすすめの作品です。読んだら必ず幸せな気持ちになって、そしてこう叫びたくなるでしょう。「もふもふ~!!!」
最初に読み始めた時の気持ちを正直に言うと、
『甘い甘い展開のイチャラブ発展系かな?』というものだった。
しかし読み進めるうちに違和感が膨らみ、これは『まんまと作者様の術中にはまった。ぬかったわ』と悟りました。
このレビューを書くにあたっては、まず表題から紐解いていかねばならない。
『池崎さん! もふもふしてもいいですか?』
さて皆様はこのタイトルから何をご想像されるだろうか。
①池崎さんという名前のケモノ?
②要するにモフリストの話?
③逆だよモフラレストの話だよ。
こんな感じだと思う。
しかしそんなヌルイ話では無かった。
表題にしても読了した今なら、意味が解る。
これは安直につけたタイトルではない。メタファーだと。
次に物語の内容なのだが、これが実に綺麗に構成されている。
中身には触れないが、エピソードタイトルから解るようにこの物語は2つのパートから構成されている。
厳密に言えば3つだが、ここでは2つとして書いていく。
あるfantasy的なスパイスを加える事により、見事なまでの調和が、この2パートでとれている。
時系列で言えばほぼ同時に進行するこれらのパートは、意味なく分けられたものではなく読者を掌の上で転がすために敢えてそう構成された、いわば『考え抜かれたスタイル』だ。
ラストまでの確定した道のりだけを辿るのでは、物語は全く面白くない。そこに行き着くまでにどれだけ面白味を肉付け出来るかによって物語の価値は変わるのだと私は思う。
本作は秀逸という言葉さえ陳腐に思える程にその肉付けが上手くなされており、読み手はまず例外なくこの煙幕に巻かれる事だろう。
そして作中にさり気なく登場させた言葉を比喩としつつ、細かい伏線までも回収しながらラストへと収束する様は、まるでジェームズ・L・ブルックスの映画を彷彿とさせる鮮やかさだった。
少し堅い事を書きすぎたので最後はライトな感じでしめたいと思う。
『少しビターな大人の恋を、もふもふしてみませんか?』
元カレに手酷く振られた過去を持つ主人公のココ。心にはそのときに負った深い傷が、なかなか癒えずに彼女を苦しめています。
そんなココが、過去を乗り越え新たな恋へと踏み出そう!とするのですが……お相手の男性が、なかなかどうして、一筋縄ではいきません。
トリマーとして働く彼女のもとへ、犬を連れて来る「お客さん」の彼、池崎さん。
スタイリッシュでカッコよくて、大人でクールな池崎さんは、何でか全く隙がない!というか、隙を見せないっ。
けれどもココは、それはそれは健気にいじらしく頑張るのです。
それがもう本当に、読み手の心を強く惹きつけます。
絶対誰もが彼女の恋を応援したくなる。
そしてココや池崎さんも去ることながら、登場するわんわんたちが、物語を素敵に盛り上げてくれます。
ファンタジー要素がエッセンスとして盛り込まれた、切なくて、でもとびっきり甘い恋の物語。
是非読んでみてください。
母子でドッグサロンを営んでいる瑚湖。元カレに言われた「重い」の言葉が癒えぬままであったが、ある日運命的な出会いが訪れる。
胸キュンまっしぐらな恋愛物語です。丹念に練り込まれたストーリーであり、読み手は主人公である瑚湖ちゃんに間違いなく感情移入します。物語の展開と共に、泣いたり笑ったり、そして胸を高まらせたり、男女を問わずお奨めできる作品です。
随所に挿入される夢のお話。これが本編にどう絡んでくるのか。これも楽しみのひとつとして用意されています。
またサブタイトルが犬種の紹介となっているのも、見逃せません。
へえっ、とウンチクメモに活用できるかも。
作者の真骨頂である心理描写がとても巧みであり、軽快な文章で読み手を知らず引き込んでいきます。
瑚湖ちゃんのひたむきな想いが、ラストシーンに向けてどう開花していくのか。
今作「池もふ」は、作者の代表作になるかもしれません。
多くのかたにご覧いただきたい、恋愛小説です。
壁ドンに顎クイ…袖クルもあったかな?
女性陣がキャーキャー騒いでいるのを見て『やれやれ…』と思っていた男性の皆さん!!
これを読んだら、騒ぐ女性の気持ちが分かるでしょう!!
そして、必ずや『もふもふされてぇ~』となるでしょう!
…でーすーが!
男性だけにオススメな訳じゃありません!
私も読みながら何度ニヤニヤしたことか!
朝イチで読めば、通勤通学する足取りが軽くなり、夜寝る間際に読めば快眠なこと間違いなし!!
続き読みたさに、家事だっていつもよりスピーディーに終わらせられるかも?笑
わんちゃん好きのあなたにも、そうでないあなたにも、男性にも女性にも…声を大にしてオススメしまーす!
「重すぎる」を理由に振られた彼女が恋に臆病になりながら、ピンと来た彼に自らの熱い気持ちをぶつけるお話。
ストーリーは単純ながら、現実のストーリーにワンちゃんワールド(夢の世界)を絡ませるなど、作者独特の描写や装飾を効果的に用いて「読み手を飽きさせない」といった工夫が見られます。良い意味で突っ込みどころも満載です。
それから、「重すぎる」なんていう理由でNGを出す男がいるとしたら、それって単純にその男の器が小さいって言ってるような気がします(笑) ほとんどは、他に何か理由があるんでしょうけどね。だって、ホントに好きな人が全身全霊を掛けて愛してくれたなら、うれしくないわけがないですから。
いずれにせよ、そんなことを偉そうに口にする男と付き合っていても上手くいくわけがないし、得る物はありません。つまらない男に束縛されて延々と無駄な時間を過ごさなくて良かったと思います。結果オーライです。
ボクはどうも恋愛物は読み慣れていないせいか、他の方と視点がずれているようで、「そこ突っ込まなくていいから」といったところを突っ込んでいるようです。本人は誹謗中傷するつもりなど毛頭なく、いたって真面目に楽しんで読んでいるつもりですが、結果的に作者のモチベーション低下につながるところがあります。その点は深く反省しています。
ただ、裏を返せば、恋愛の考え方は人それぞれで、コメントのキャッチボールをすることでいろいろと勉強させてもらいました。そういった意味からも読んで良かったと思います。丁寧にレスを返してくれたのも作者の誠実さ&優しさの現れですね❤(ごめんちゃい)
手編みのセーターなんか貰ったら、重いですか? 男性陣?
一生懸命心を込めたもの、突き返されたらどうします? 女性陣?
想い自体が重たいのだと、手酷い振られ方をしたココは、恋に尻込みしています。
それでも、恋をした。
しかもお相手の男性、本心すら見えないアルカイックスマイルで取り付く島もありません。
さあ、どうする?
そそり立つフィヨルドのような「池崎大陸」
ココは無事辿り着けるでしょうか?
妹の恋を見守るお姉ちゃんのような気持ちで、毎回目が離せませんでした。
エピソードタイトルも趣向があって楽しいです。
ふわふわと浮き立つような、今の季節にぴったりの物語。
あなたも、是非。
あらすじ通り、ドッグサロンでトリマーとして働く女性が主人公で、ほんのりお仕事要素がブレンドされた女性向け恋愛小説です。
主人公のココちゃんは、可愛らしくて一途な性格で、恋愛に対しては受け身なだけじゃない部分もある、健気な女の子でした。
とはいえ、行動的でもいわゆる肉食系とは少し違いますね。好意を持った相手に対して親身に尽くす、まさに「子犬系」の女子。この作品で扱われている題材を、自ら体現しているようなキャラクターです。
そんな主人公が繰り広げるラブストーリーなのですが、何が素晴らしいって、時折せつなくなるようなシリアスな場面もあるものの、基本的にどこまでもフワフワしてて、明るく、優しく、読んでて気持ちのいい内容なのですね。
もう、この小説の雰囲気自体がもふもふって感じです(笑)。
とにかく、大半のエピソードがふんわりしてて、時々思わずニヤニヤしちゃう。
さてはて、果たして大型犬似のイケメン・池崎さんとの恋の行方はどうなってしまうのか――
明るく温みのある恋愛物をお探しの方は是非!
もふもふ。犬。この二点で飛びついた物語でした。
犬満載の予知夢。現実での流れが、編み物のように絡み展開される純情一直線のココちゃんの恋の行方が気になって気になって。
一筋縄では行かない恋愛対象に振り回されるココちゃんは、確実に恋愛達成の階段を登るのか、登らないのか。
犬達の豆知識でティーブレイクしながら、時にハラハラ。時にほっこりとした時間を過ごせます。
また、服装、散歩道、立ち寄る店の雰囲気やメニューの書き表し方が素敵で勉強になりました。
ラストが近いとのお言葉も聞こえ、寂しい気持ちもありますが、ココちゃん達の物語が進むのは楽しみでもあります。ラストまで、追わせて頂きます。
犬である。全編に渡って犬。
ラブストーリーという物語であると同時に、犬に対しての造詣を深める資料とも言えるかもしれない。
ところで、おそらくビーズログ文庫系の女性向けの小説なのでしょうね。文章から乙女の匂いがプンプン漂ってきます。ああ、いい匂い♡ ――じゃなくて、男の私が読み進めてしまえるのは、健気に一途に意中の人を想う主人公、湖湖ちゃんがとっても可愛いからでしょうね。
本当に応援したくなるんですよね、湖湖ちゃん。
え? 湖湖ちゃんの想いが重いって?
想われるなんて幸せじゃないかっヽ(`Д´)ノプンプン
――閑話休題。
どうかハッピーエンドになってほしいと心の底から思える、とても素敵でちょっと笑えるラブストーリーです。
犬みたいな湖湖ちゃんと、ボルゾイ似のニット王子池崎さんとの恋も応援しつつ、犬の知識も深められるお得な小説を皆さま是非(⌒∇⌒)
毎話、思わず笑いが零れるコミカルなじれじれ恋物語。
作者様お得意の、わんこたちのモノローグも冴えわたり、読むたびに自然と笑顔になってしまいます!
そして……、「恋愛小説なんて」などと敬遠されてきた男性の皆様! ここには、萌えがありますぞ!
ラブコメだって恋愛ものだって、ヒーローとヒロインが結ばれることを誰しも願うものでしょう。
中には、くっ付いちゃったら終わりじゃん! というご意見の方もいらっしゃることと思いますが、今までの私にとってはそういうものでした。
でも、本作はちょっぴり違います。こんなに可愛いココちゃん、取られとうないっ!!(←切実)
好きな相手は池崎さんだとうちきしょう勝てやしねえ!(←ガチすぎてちょっときも)
女性には池崎さんのすっと自然体なカッコよさ。
男性にはココちゃんの空回りな可愛さ。
間違いなくどちらも楽しい本作、是非ともご覧になっていただきたい!
……ココちゃんは、「フラれかた可愛い」というニュージャンルのヒロインだと思います!
大人の魅力に溢れた素敵な男性、池崎さん。飼い犬を通じて彼に恋をしたトリマーの女の子、瑚湖(ここ)ちゃん。一途な彼女の恋の行方を描く、明るくきらめくような物語です。
池崎さんのスマートで硬い壁に阻まれ、なかなか彼に近づけないココちゃんですが…彼女のまっすぐな思いが、彼の心に少しずつ染み込んで…いきそうな気配です。
物語はまだ途中。ですが、硬いガードの向こうにいた池崎さんの心がわずかずつ動き始めたその気配に、ドキドキが高まってきています!
まっすぐに好きな人を思うこと。そして、その思いが少しずつ相手に届くこと。……そんな恋の苦さや幸福感のたっぷりと詰まった、素敵な作品です。