「死んだ奴は、精々、たまに思い出してやるくらいがちょうどいい」この言葉に、この物語が抱える情緒があらわれている。主人公の二人を含め、どの登場人物も人間味にあふれた欠陥をかかえているし、彼らが巡り合う怪談も、どれもすんなりと小綺麗に終わらせてはくれない。どこかひっかかりを残した薄暗がりの道を、こっそり振り返りつつ歩む、そんな夕暮れの美しさに満ちている。
生きています
大久保と関、メインふたりの愛すべきくせ者っぷりがとにかくすごいのです!そんなくせ者同士の名コンビっぷりはさらに凄まじくて、あっという間に骨抜きにされました。人間性の良い部分と良からぬ部分が表裏一体…続きを読む
昭和初期の空気を切り取った怪異譚たち。彼らは相応に不気味でありながら、どこか切ない佇まいです。怪異の解決に乗り出すダメ男コンビ+αがこれまた、実に宜しい。繊細ながら図太くもある大久保は、理想…続きを読む
言葉、品物、時代が移ろい変化しても見えない場所に思いを馳せるのは、隙間への興味と恐怖。日常にある、ふとした現象にあるのかもしれない怪異の気配。読む者を引き寄せ、読む者は立ち入ってしまう。…続きを読む
いい意味で昭和初期のなんとも言えない雰囲気を漂わせた作品。主人公二人の軽快なやり取りと共に、独特の世界観の中で語られて行くホラーは絶品です。
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