京の街への造詣で彩られたライトなミステリー

京都市東山区の神宮道を南に下がり三条通を渡った路地にある探偵事務所。
春瀬壱弥は探偵だ。
主人公は大学生の女の子、高槻ナラ。弁護士を目指す女の子。
もともと、その探偵事務所はナラの祖父の弁護士事務所だったのだ。

十も年の違う男女二人。いろいろだらしないイケメンの壱弥に、世話を焼くのがナラ。

そんな二人のもとに、依頼やもろもろで、事件が舞い込んでくる。でも、その一つ一つの事件は、人が死ぬ殺人事件のようなものではなくて、もう少し、ライトで、それでいて人情が漂う物語。

しっかりとした筆致に、筆者の京都愛が滲み出るような、様々な描写に、読み応えは抜群の、キャラクター文芸(だと思う)の連作短編です。

もちろん、期待の恋愛だって、ジワリジワリと……。直接的な表現は少ないものの、ナラが壱弥に惹かれていっているのは一目瞭然?

是非、秋の夜長に京都の東山まで、ページを捲ってトリップしていただければと思います!

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