とにかく文章が美しい……。
- ★★★ Excellent!!!
古都を舞台に繰り広げられる、くっきりとした色づかいなのに繊細で美しいミステリ。
自分のイメージでは、ミステリというのは、文章力や描写力がいまいちでもストーリーで引っ張ればどうにか……
というモノだったんですが、この作品はまるで違います。
人も鮮やか、街も鮮やか、そして事件も謎も鮮やか。
読ませる文章ですよね、ミステリなのに。
ああ、こんなに冴えた文章にこそ、この京都という街は似合う。
しかも、この京都はただの古都ではなくって、学問の街でもあり、京都弁の街でもあり、古書の街でもあり……、
京都をグッと煮詰めた京都なんです。
その京都を、余すことなく文章として盛り付けるのには、実力派でなければ無理です。
この作者さんの筆力は、目を見張るものがありますよ。
そうだ 京都、行こう