端正な筆致で描かれた、迫力のシルクロードファンタジー!

乾いた風が砂を運ぶ、褐色の風景が広がる中国西域のシルクロード。
そのロマン溢れる広大な地を舞台に悠然と、そして清冽に描かれた一大ファンタジーです。

「虎姫」と異名を持つ琥琅は、人里離れた森で暮らす人外の養母に育てられた少女。
とある使命を全うして命を奪われた養母の遺言により、彗華という西域の商業都市で商売を営む家に身を寄せ、そこの養子である雷禅という少年を慕って護衛の役を務めている。
ところが、商談を終えて彗華に戻る帰路で彼らは妖魔や幽鬼に襲われ、さらには神獣・白虎と出会うのだが、それらは全て時を超えて宿敵と対峙する彼らの運命として定められたものだった──。

王道とも言えるストーリー展開ですが、勢いがありながらも乱れることのない端正な筆致によって、闘いの迫力にどんどん飲み込まれてしまいます。
淡い恋心を抱いているようで、どこか飼い主と従順な犬(虎?)のような二人の関係も微笑ましい。
鷹の姿をした化生である天華さまは、私の中ではなぜか美輪明宏さんのイメージです(笑)

中国西域の雄大で神秘的な雰囲気の中で繰り広げられるストーリーをぜひご堪能ください!

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