それでも日々は続いていく

ひたすらこちらを目の敵にしてくる嫌味な上司。でも彼はある信念のもとにそうしている。翻って、この自分には誇りうる「本当の自分」なんてあるのだろうか?そういう普遍的で切実な問いを、この作品は突きつけてきます。我々は店頭で明太子を売り続ける主人公のように、自分自身もまたデコレーションして生きていかなくてはいけないのか。それほどにこの私とは実は空洞ではないのか。そんな苦い現実の前にしばし立ち尽くすことになるのです。

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