明太子プロパガンダ

作者 たかた ちひろ

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★★★ Excellent!!!

by中島らも(若干うろ覚え)

何の変哲も無い というよりどちらかといえばモヤモヤを抱えた日常。

それなのに文章から伝わるこの安堵感の源泉はそれでも自分を受け入れ立ち上がろうとする主人公の内省的で静かな強さ故なのでしょうか。

現実を見つめる独特な温かい女性の感性の語りに癒されます。

同じような朝、それでも世界がその姿を少し変えた時。
それは、あなたが一つ大人になった証拠。

★★ Very Good!!

流れるままに就職し、本当に自分がやりたい事が分からず挫折し、学生時代の自分から見れば「こんなはずじゃなかった」と言われるような生活を耐える若者。
多分、今の社会でこのような人々は多いのではないだろうか。
主人公はそんな若い女性。物語を動かすのは見栄っ張りで自分に酔ってる上司。
閉塞感のある生活を丁寧に描き、その中でも少しの変化と、それでも明るくなりそうもない未来に悩みながらも生きていく、現代の若者を上手く描いている。
……私もこんな悩みを持ってたので、凄く陰鬱な気持ちになりつつ(褒め言葉)些細な幸せを見つけて生きたいなっと思いました。
お見事なお話でした!!

★★★ Excellent!!!

ひたすらこちらを目の敵にしてくる嫌味な上司。でも彼はある信念のもとにそうしている。翻って、この自分には誇りうる「本当の自分」なんてあるのだろうか?そういう普遍的で切実な問いを、この作品は突きつけてきます。我々は店頭で明太子を売り続ける主人公のように、自分自身もまたデコレーションして生きていかなくてはいけないのか。それほどにこの私とは実は空洞ではないのか。そんな苦い現実の前にしばし立ち尽くすことになるのです。