ニチアサや……ニチアサやで……
ありそでなかった変身ヒーロー系バトルアクションノベル。
千年もの間僻地にて封印されていた怪人達が現代に蘇り、跳梁跋扈する――――それを止めることができるのは、怪人達の怨敵たる陽炎神、エルガイア。
偶然にもそのエルガイアを右手に宿すこととなった主人公が、有無を言わさずその闘争に巻き込まれていくお話です。
変身、フォームチェンジ、必殺技等々ヒーローものとして王道な要素は抑えつつ、登場する怪人達のバックボーンや精神性にも趣向が凝らされている、熱量の籠った力作です!
子供のころヒーローに憧れた人。あるいは大人になってもヒーローに夢中な人には文句なしにオススメ!
ぜひぜひ、エルガイアの活躍に熱く心を燃やしてくださいませ。
ネパールの奥地で怪しい探検隊が発見した、謎の右腕から始まる怪奇譚。
猟奇殺人事件が多発する日本。暗躍するクリーチャーたち。
クリーチャーに対抗するには、クリーチャーになるしかない!!
たまたま謎の右腕になんの因果か選ばれた主人公。
人間を喰らうクリーチャー相手に、自らも変身して戦う。
徐々に右腕のクリーチャーへと取り込まれていく感覚。
なぜ、クリーチャーたちは人を襲うのか。
そして、主人公はなぜ、右腕に選ばれたのか。
熱い展開をてんこ盛りにした怪奇バトルアクション小説。
たぶん、好きな人はこれ大好きでしょう。
WEBコン3にあわせて、続編が書かれるそうですが、その前に読んでおいてはいかがでしょうか。おすすめです。
冒頭よりじわじわと押し寄せる恐怖。
戦士の力を与えられ、戦いに巻き込まれる主人公。そしてそれを取り巻く家族、友人、そして警察。
これは人の少年が、足掻き、葛藤し、苦しみつつも戦士として成長してゆく物語である。
ただ、やはり気になるのは、設定があまりにも「仮面ライダークウガ」であること。
また、読みやすさを優先するためか、共通コードが多い。
たとえばヒーローであるエルガイアの外見に関して、その記述がほぼない。それは敵のミュータントも同様。
文章力が高いゆえに、特撮好きの目には、どうしてもクーガとグロンギの姿がちらついて離れない(笑)。
「学校」や「警察署」はまだしも、「ヒーロー」や「怪人」まで、読者の記憶に頼り、「ほら、わかるでしょ」的な描写にたよるのは、まるで二次小説のようだ。
だたし、これは描写の上のことであり、本作で描かれる人間たちの、熱く、血がたぎるようなドラマは一級品。逆に特撮的な部分を「共通コード」化することによって、それが引き立っているのも事実。
でもやはり、個人的には、「名刀は、それに相応しい鞘に収まっているもの」だと、思うのだが。
特撮好きにはたまらない変身モノの小説です。
冒頭古代遺跡を発掘していたら、謎の生物が――――
舞台は変わってごく普通の高校。
祖母と叔母の二人と暮らす主人公は、ある日とある事件に遭遇する。
その日を境に崩れゆく日常。
それまで仲が良かった友人の奇妙な行動、時折変わって見える姿。
同じく母親を亡くしても気丈に、というか能天気な、毎日のように告白して愛情表現を隠さない後輩。
その背後では、頭部をまるまる喰いちぎられる猟奇事件が多発していた。
そして主人公の前に現われる怪人。右手を喪った主人公が、本人も無意識のうちにとった行動とは――――?
様々な特撮作品のオマージュをふんだんに取り入れつつ、警察の捜査、多人数の一人称を使い分けることでリアリティを高めています。
異形の力に心身ともに侵食される恐怖、自分の力の至らなさ。
それらを克服した時、少年は真の戦士に変貌する。
果たして生き残るのはどちらの種族か!?