たとえどれほどおぞましくとも、共に走り抜けたのならそれは相棒である。

 エルンダーグは狂気のロボット兵器である。敵性勢力の存在を強引に人型に形成し、それをコントロールする為に人間の価値観を持つ存在をただの部品として扱い、文字通りに地上への帰還どころか作戦を成功させ無事に帰還する事すら半ば投げ捨てた特攻兵器と呼んでもいいだろう。だがしかし、たとえパーツとして扱ったとしても最後まで搭乗者であるハルと共に長い時を戦い抜いたエルンダーグは文字通りの半身であり、そして相棒だったのだと思う。最後に全てが消えてしまうとしても。少年と少女の手に残ったのは成し得た成果と比べれば本当に小さくささやかなものでしかない。けれど本当に片手に収まるようなそれを手に入れる為、長い時間、遥かなる宇宙の果てまで、エルンダーグとハルは駆け抜けて―― その最後が文字通り地球を滅ぼしかねない愚行であったとしても共に貫き通した事に価値があった――

 と、途中まで真面目な感じで書いたけどダメだね。こんなこと皆言ってるよ! じゃあ何を書けば良いかって? 決まってる。エルンダーグがどんだけロマンの塊かって事を書くしかねーだろうさ!

 まずパイロット。お腹に強引な循環ポンプを突っ込み毛細血管レベルで強化、限界を超えたGがかかっても平気にする。普通なら慣性制御の一言で済ませる部分をここまでおぞましくも強引に推し進めるのは文字通りのロマン。

 次に発射シーン。キノコ雲を立ち昇らせながら発進するロボットなんて中々いないというか下手するとこれだけで基地の機能が停止する恐れがありそうなのがロマン。

 更に火器。609.6mm試製甲型電磁投射砲と書いてブリッツバスターと読む! この時点でロマンの塊というか下手しなくとも人類史上最大の口径を持つ火砲ではなかろうか? 実戦ではこいつで接射までかますとかもう脳汁が出ない奴はロマンが不足してるね。エルンダーグで摂取しろ。

 そして当然の殴る蹴るの暴行! そうだよ! 人型ロボットは最後はそれなんだよ! 指が構造上脆い? 足を使うとバランスが崩れる? 細かい事を気にしてるとロマン不足で死ぬぞ? ほらエルンダーグで摂取するんだ!

 この他にも色々あるけれどそれは本編を読みながら摂取してくれ!ぶっちゃけ僕がレビューとして纏めた100万倍位のロマンが詰まってるから!

 さぁ、ページをめくれ! 僕だって最初は鬱エンドだろう? って躊躇したけど読んでいるうちにそんなこたぁどうでも良くなる! 逆にどんなそこまで墜ちる結末になるのか楽しみになってくる始末! まぁそんな僕が考えられるようなチンケな悲劇なんてものを遥かに超える結末が最後に襲われたんだけど……

 というかここまでレビューを読む前に本編に手を付けるんだ! さぁ早く! ……え、もう読んだ? なら僕が言いたい事は分かるだろう? エルンダーグは最高だぞ!

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