第305話黄葉の 人麻呂

黄葉の

   散りゆくなへに

          玉梓の

              使いを見れば

                    逢ひし日思ほゆ


                    柿本人麻呂 万葉集 


柿本人麻呂は、愛する妻のところへ通うことかなわず、落葉の時期に、使いの者により、妻の死を知る。

いてもたってもいられず、亡き妻のもとに出向く。

思い出すのは、初めて逢った日のこと。


妻はどれほど寂しく死んでいったのだろうか。

人麻呂は、どれほど悔やんで、泣いて歩いたのだろうか。


何度でも読むと、言葉にはできない世界が見えてくる。

式子内親王の世界に、どこか通じる哀惜の歌と思う。


※この歌にて、式子内親王に恋をして、一旦閉めることといたします。

 いつかの日、再開するかもしれません。



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式子内親王に恋をして  和歌の世界 舞夢 @maimu

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