風土記の伝説残る地で繰り広げられる伝奇ラブロマンス

とても伝奇的な雰囲気のある作品です。

呪われた一族に課せられた宿命……という設定はともすれば悲劇的なストーリーにもなりそうなところ、淡々とした日々の情景や実感のこもった日常的な描写の積み重ねによって、それがむしろ安心感のある恋愛物語に仕立てあがっている手法は見事です。

神話伝説や民俗学的分野の魅力的な要素がふんだんに盛り込まれていながら、また都会から来た新人教員の主人公が田舎の学園に次第に溶け込んでいく過程もじっくりと描かれており、感情移入がしやすく読んでいて飽きさせません。おすすめです。

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