関西のとある私立校へ新任教師として赴任してきた南雲先生。
生徒たちと親睦を深めようと、顧問である剣道部の練習につきあう南雲は、ランニングで登った山で、この地に伝わる伝説を知る。
南雲と同僚の怜に、ゆっくりと忍び寄る怪異の正体は……?
ヒロインの怜先生がすっごく可愛いです!
年齢は大人の女性なんですけれども……なんというか、いろいろと無防備で可愛すぎますっ!(≧▽≦)
そんな怜先生をスマートにサポートする南雲先生(*´▽`*)
できる男です。素敵です。
そりゃあ、大関門(お兄様)も許可を出しますよ……!
二人に忍び寄る怪異はおどろおどろしく、けれども恋愛部分はあくまで甘く。
絶妙な甘辛っぷりをぜひ堪能してください!(*´▽`*)
新しい中学校へ、教師として赴任した南雲は、学園理事の家である藤家に下宿することになる。そこには理事の妹である同校の女性教諭、怜がおり、とりあえず二人は、当初は会話も少ないのだが。
となにやらラブコメ的な設定ではあるのだが、剣道部の顧問についた南雲先生は、山にちかい場所に建つこの学校に、いろいろと不思議な風習があることに気づく。
そして裏山の途中には神社があり、その山頂にはいにしえの時代にこの地を支配していた化け物の伝承が残っていた。
そしてやがて起こり始める怪異。目に見えない何か。謎の双子の少女。
学校の剣道場の奥にある開かずの間には、なにがあるのか? そして藤家にかけられた呪いとは?
同じ屋根の下に住む、やばいくらいにくらいに可愛いヒロインとの距離が縮まるにつれ、南雲はこの藤家にまつわる呪いに引き込まれてい行く。
基本的に恋愛メインのプロットが組まれているにも拘わらず、唐突に差し挿まれる怪異。リアリティーのあるキャラクター。頭吹っ飛ばされるくらいに可愛いヒロイン。そして上古の昔より続く伝承と、その地に生きてきた人々の生活。
それらがバランスよく語られていて、読者をまったく飽きさせない。
読了すると、たった八万文字では語り尽くせない物語世界に、すこし物足りなさを感じてしまう。
どうやら本作は、続編へのすこし長めのプロローグであったようだ。
『続』の方を先に読んで、それ以前の出来事や経緯が気になって、こちらも読ませていただきました。
中学教諭であるヒロイン・怜に纏わりつく『ムカデ』の呪い。
彼女の家に下宿することになった同僚の南雲が、共に呪いに立ち向かっていく――というストーリーなのですが、ホラー描写は見事の一言!
コメディパートでつい気を緩めたところに襲い掛かってきたり、まだ恐怖が冷めやらぬところに畳み掛けてきたりと、様々な恐怖が味わえます。
そんな中だからこそ、ゆっくりと恋を育んでいく二人の関係の甘酸っぱさが際立ち、ホラーだということも忘れて思わずニヤニヤしてしまう場面も。
『続』単体でも楽しめましたが、元祖であるこちらの作品を読むことで更に物語を深く味わうことができました。
こちらを読まれた方は是非『続』を、『続』を読まれた方は是非こちらの作品も合わせて楽しんでいただきたいです。
皆さんムカデは好きですか? あんまり好きな人はいませんよね
私も嫌いですし、蟲の出て来る話は苦手です……
しかしこのお話、なんと申しましょうか作者様特有の恋愛ホラーの物語ですので何故か安心して読めてしまいます。
狼の皮をかぶった羊と申しましょうか、呪いのオブラートに包まれた恋愛と申しましょうか、この手の話と致しましては爽やかな物語だと思います。
所々に出てくる民俗学のネタも楽しく、次へ次へとページをクリックさせる話術に脱帽したします。
個人的なポイントとしてはムカデに怯える怜先生、男の布団に潜り込んで何も無いと思ってる怜先生、酒飲んで酔っ払う怜先生、実兄には強気になる怜先生、風邪をひいて甘える怜先生、全部が高ポイントですね!
南雲先生がオチるのもしょうがないことだと思います。
この二人とムカデの続きが読みたい、そう思わせる一作です。
皆様どうぞご一読下さい。