異形の蠢く音が『こだま』する

土地伝来の昔語りに、異形に貶められた帰順しない、
まつろわぬ民が見え隠れしている。
下地にある「妖怪退治」の様相と皇より拝受した太刀が、
後半活きてきて、物語を一気に加速させた。
太刀の発想も面白く、情景描写も豊かで、読み手を飽きさせない。
伝奇ものの醍醐味が詰まった良作といえる。

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