雨に濡れる中華街での、あたたかく、そして切ないふれあい

キラキラの極彩色に彩られた晴れの日の中華街ではなく、冷たい雨にしっとりとけぶる中華街の片隅で起きた、ふれあいと別れの物語。

主人公の食べるアサリそばのあたたかで美味しそうな描写が、猶更そこで起きた切ない出来事を印象的に浮かび上がらせてくれます。

雨の中華街には、太陽の光の下では見えない魅力がある。
そしてそこでは、この作品のように心にしみる出来事が起きているかもしれない。そんな気持ちになりました。

あたたかく、滋味にあふれ、少し塩味の効いた余韻に浸れる作品です。

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