二度ほっこりできます。お婆ちゃんという存在は、どうしてこんなにホッとできるんでしょうね。小さな子供という存在は、どうしてこんなにホッとできるんでしょうね。
思い出の土地が被災地になる。それだけなら悲しい話ですが、この物語は、それでもまたいつか、この土地を訪れようという、前向きなお話です。訪れたときにはまだ交際中だった二人が、時間を経て、新しい家族が誕生してから、その土地に赴く。どこか明るい希望を感じさせます。また、登場する方言が臨場感を引き立てていると思います☆
古月さんの作品は、どれも丁寧な情景の描写と、軽くて楽しい会話がバランスの良さが好きです。熊本はあまり馴染みのない土地ですが、こんな人たちが行くところなのかな、という気分になりました。恋人から家族へ。普遍のテーマですけど、やっぱりこういう話は心が和みますね。
咲いてる桜を味わうだけが春の楽しみじゃない。そんなことを思い出して、読みながら笑みが零れるような温かい作品でした。
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