レイハはマスター二人に振り回される

「…………コレは何の、冗談ですか……?」

「冗談じゃあ無いよ〜♪ 現に今、着せ替え人形にして遊んでるじゃないか〜♪」

「…………現実だ。受け容れられないのも、解らんでは無いがな……」

「…………耀翔さんは俺を着せ替え人形にして遊ばないで、下さい。……蓼さんは助けて下さい……(汗)」

だよー♪♪」

「…………嫌だよ、面倒臭い……耀翔はそうなると、暫く飽きないでし続けるから」

「…………酷いです…………」

レイハが涙声でか細く呟く。ソレもその筈。レイハは現在耀翔の着せ替え人形として、遊ばれている真っ最中なのだから。

今にも泣き出しそうなレイハとは対称的に、耀翔は十人中十人は振り返って二度見してしまう様な、満面の笑みを浮かべていた。

もう一人のマスターである蓼は、本を捲りながら紅茶を優雅に飲んでいる。

「ねェねェ次はコレを着て欲しいなァ〜♪♪」

「…………イヤそれ、明らかに『女物』じゃ無いですか……(汗)」

「いやいやレイハなら似合うって♪ ねェ〜蓼?」

「…………十中八九似合うだろうな、レイハの容姿だと」

「酷いです〜……(汗)」

レイハが起きてから早数時間。主人二人はとうの昔に仕事を終え、午後の休暇を楽しんでいた所だった。

丁度耀翔は暇していたので早速遊び始めたという訳だ。

「まァまァそんな事言わずにさァ〜♪」

「ぴゃァァァァァァァァァッ!?(汗)」

「…………レイハ、悲鳴の上げ方……」

「アハハ可愛いなぁ〜♪♪」

レイハの抵抗を物ともせず、耀翔はスルスルと服を脱がせて早着替えさせ、嬉しそうにニコニコ笑っていた。

「…………耀翔、遊んだら仕事しろよ? 締切近いんだろ?」

「うん近いから、レイハで遊んでんの〜♪ レイハは『受け役』に最適だからさァ〜✨」

「???」

「…………耀翔ソレ明らかにレイハが聴いたら駄目な単語ワードだよな?」

「おっと本音=本心が✨」

「???『受け役』って何ですか?」

耀翔の変態的な台詞を純新無垢なレイハが、キョトンとした顔(+ゴシックロリータ姿)で意味を訊いてくる。

可愛い顔なので余計に訊いてる言葉の、異様さが目立ってしまう。

「…………ほら訊いてきたじゃんか……純粋さ消したら怒るよ、耀翔?」

「おっと誤った♪ レイハは気にしなくて大丈夫だぜ〜✨(汗)」

「…………そう、ですか……? って訊いたら駄目なんですか?(汗)」

「…………耀翔? 何か言う事は? ……レイハ気にしなくて良いからね?」

「…………すいませんッしたァ!!」

「!?(汗)」

突然の平身低頭+土下座にレイハがビクッと身体を震わせる。

「おっとすまん……(汗)」

「…………耀翔、後でちょっと話そうか?」

「…………い、いえ……(汗)」

「御免なさい、赦して下さい!(汗)」

「…………嫌だねぇ……レイハ、取り敢えず脱いだら?」

「ふぇ? ……ア、あわわわわ…………ってぴぎゃッ!」

((…………可愛いなぁ〜……))

あまりの恥ずかしさに慌ててロリータ服を脱ごうとして、裾につまづいてコケるレイハを見てマスター二人はホッコリとした気分になる。

「あ、耀翔さん……コレどうやって脱ぐんですか……!?(汗)」

レイハが困った様にコチラに視線を向ける。レイハの状態は凄いものだった。

まず髪の毛は解けて顔に一筋垂れ落ち、ロリータ服は中途半端に脱げ掛かって真っ白な雪肌がチラリと姿を見せて、オマケに痛みのせいなのか瞳を潤ませて上目遣いにコチラを見る姿は簡単簡潔に言えば何とも扇情的な姿だった。

「…………レイハ、こうだよ……」

「なァもう死んでいい? 俺今にも昇天しそう……」

「有難う御座います……って駄目ですよ?(汗)」

「…………じゃあその歓びで昇天しないうちに、さっさと仕上げてこい」

「うぇーぃ……」

その姿を見た耀翔は何かインスピレーションが湧いたようで、蓼に追い立てられる様にして部屋を後にした。

レイハも無事服を脱ぐ事が出来て安心してるが、今度は雪肌が余す事無く晒されているので、見るモノにとっては目の毒以外の何モノでも無かった。本人が気付いてないのがまた何とも言えない訳で。

そんなこんなで蓼も耐え切れず、早々に書室に引き上げていった。

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