黎明の雄叫び

幽谷澪埼〔Yukoku Reiki〕

プロローグ

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

俺は目の前で起こっている現実が受け止めきれなくて叫び声を上げた。

(俺が居たから、こうなったの? 俺が産まれてきたから、皆死んでくの? 俺は……産まれちゃいけないモノだったの?)

目の前に広がる、鮮血の海と醜い肉塊。ソレは俺がとても大好きだと、大切だと、心の底から想っていたモノ達の憐れで無惨な終焉さいごの姿だった。

「あ、あ、あ……あああぁあぁぁああぁあああぁぁあぁぁぁぁぁあああぁぁぁああああああッ!!」

(俺のせいで俺のせいで俺のせいで俺のせいで俺のせいで俺のせいで俺のせいで俺のせいで俺のせいで俺のせいで! 皆俺を信じたから死んだんだ! 俺なんかを大事に思ったから殺されたんだ! 俺が……俺が信じたから死んじゃったんだ…………ッ!!)









ー古来より深紅の瞳と漆黒の瞳は災いと不死の象徴として扱われた。故にあかくろの瞳を持つモノは時には忌み嫌われ、時には狙われてきた。此れは赫と黯、二つの色を持つモノの、或る御伽噺。


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