星を夢見た心に真も偽もない!

この世界のロボットには明確かつ明瞭な心があります。
何度も作中で問題提起されているように、なぜこの世界のエンジニア達は彼らロボットに心を与えたのでしょう。

心を持つことで大きな災いも起こり、心を与えられたロボット側にしても、心を持つことで生まれる多大な苦しみをその身にうけることになります。

本作ではそういったロボットと心の問題を軸にしつつ、滅び行く世界であがき、力強く生きる人々の描写が展開されていきます。

結局、最後まで問題の答えが出ることはありませんでしたが、それはむしろ、この問いは安易にこうだと言えるような問題ではなく、心を持った個人、一人一人が自らで答えを出すべきと言う、作者からのメッセージのようにも感じました。

しかし最後まで読んで思うのです。
本作を読んでいる中で、私はロボットであるオズマを、どの程度ロボットとして認識して読んでいたかということを。

与えられた現実に悩み、迷うオズマは、まさしく人間となにも変わらぬ存在でした。それは、ビジュアルが読者の想像に委ねられた小説という媒体だからこそ、尚更引き立つ演出にすらなっていたのではないでしょうか。

そこにロボットと人の垣根はなく、ともに過酷な現実へと挑んだ二人の姿があるだけでした。フリーゲームが原作ということですが、小説という形でこの物語に触れられたことを、作者様に感謝したいと思います。

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