悲しみと祈りはタイムマシンで未来へと

大学卒業を控えて一人旅に出た「ぼく」が
北海道の奥尻島の海際で見付けたのは、
楕円形をした真っ黒のオブジェ。
その正体はUFOではなくて、鎮魂のシンボルだった。

冒頭の語り口は受かれているけれど、
「明日が来ないこと」への思いを経た彼は、
いま生きている自分が為すべきことを自覚する。
モラトリアムな大学生が、不意に抱いた真剣な決意。

旅は非日常だからこそ、日常的な感情を強く揺さぶる。
等身大なリアリティが感じられて、すごく好き。