君以外にはね。
短編で世界観をしっかり作って泣かせてくる作品、好きです。
”俺の吐いた嘘”って何だろう?と用心しながら読んだんですが、腰を抜かしそうになりました。ネタバレ回避のために口をつぐみます。
なんて、なんて爽やかな好青年なんだ!乙島さんの軽快な筆致と好青年の描写は、実に相性がいい。それは氏の書いたほかの作品からもひしひしと感じられる。この作品の主人公も、いや、作品世界までも。すべてが爽やか……!そしてちょっぴりせつない。そんなストーリーを綺麗にまとめるのは、簡単なようで難しいはず。一本のショートムービーを観たあとのような読後感。満足です。
一度目は、そのピュアで切ないストーリーに涙しました。二度目は、「俺」にシンクロして物語を読み、涙しました。三度目は、読み手を必然的にその結末へといざなう「物」や「言葉」が実にさりげなく、しかし、綿密な配慮によって、作中に散りばめられていることに気付き、息を飲みました。四度目は、そのすべてをいっぺんに味わい、涙しました。
感想書くとネタバレになるから自重。場所が、昔住んでた所だっただけに、絵が浮かんで浮かんで。いい!
なんとなぁく途中で「あっ、これ最後まで読んだらアカンやつだ」って、読書経験をそこそこ積んだ私の脳がバリバリ警告出してました。けど読みましたよ。そんで泣きそうになりましたよ。終わり方もこれまた素敵で……。最後の一言、すごく好きです。
噂になっていたので実はこそこそ読んでました。作者さんの別作品を読んだあとでのこの短編。いやはや期待通りですね。ううん、ちゃんと男の子からふってあげるのが強い人だなと感じました。少しばかり見知った土地なのでそこにも注目しましたが、ちゃんとシンボルを入れてきましたね。もう少しこの土地である理由が欲しいということで、☆2にするか3にするか迷った挙げ句3にしました。すっきりとした文章に相も変わらず嫉妬気味です(笑)
池袋で楽しく過ごす二人の本当の思いを知ったとき、胸をつかれました。さわやかな文章が、じわりと後から響いてきます。